かみさまのまち

おやすみを言ったのに目を瞑っても眠れないのはなんでなんだろうな。

 

10年ぶりくらいに浴衣を着た。

浮かれてまつげエクステとネイルにも行ったけど、また花火があんまりにも大きくってそんなことどうでもよくなった。

花火大会にいい思い出がほとんどないのだけれど、今年また花火は綺麗だった。

 

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あのまちはいつでも静かだ。

虫の声さえ聞こえない夜もある。外の街灯も窓から望んで遠く、朝は天気のわからない薄白い光をぼんやり浴びる。むかし夢見てた神様のいないまちそっくりだ。

 

バスタオルで濡れた体を拭いた時

キッチンの床が軋む音を聞いた時

玄関に屈んで靴を丁寧に並べた時

水気のおおい空気を吸い込んだ時

そういう時にばかり私は神様の事を忘れている

 

雑踏に飲み込まれながらいつも神様のことを考える

きっとそんなところにはいないだろうにな